実践サイト構築ツール活用ガイド

RFP入門/
提案依頼書の作りかた

適切なRFPを作ることがスムーズなアウトソーシングにつながる。

RFP(Request for Proposal)とは「提案依頼書」のことで、業者からの企画案を求めるための書類です。
「実現したいプランやコンセプトの説明および条件、また、それらに関連する要件をまとめた書類で、 業者側に企画や見積もり書を提出してもらうために作成する」と考えればいいでしょう。

■RFP(提案依頼書)とは

RFP自体は、本来は業者からの企画案を求めるための書類ですが、企画案を求めるにせよ、依頼者サイドでは何らかのビジネスモデルや、 実現したい企画があるわけで、これを示し、業者からの提案なり予算を示してもらい、より具体的な提案・企画を作りあげていくことに なるわけです。
つまり、RFPは「企画書」と開発業者に求める要求事項をまとめたものとして捉えていだだければよいでしょう。
開発業者側ではこのRFPを元に、求められる機能や運用まで含めた提案をすることになります。

RFPには決まった書式というものはありませんから、自由に記述してもらってもかまいません。
一般的にはパワーポイントなどで作成し、数ページ程度のものが多いようです。

そうは言っても、「この程度のことを書いておくとよい」といったポイントも当然あるわけです。
具体的な記述のない、コンセプトレベルでのRFPですと、それを受け取る開発業者によって、発注者である皆さんの考えに対する 受け取り方・理解度に違いが出てきます。

「必要のない機能がずいぶん含まれていて、予想以上に費用が高い」
「見積書も明細が各社によってバラバラ。比較のしようがない」


などといった問題が発生する可能性が高くなります。

もちろん発注者側である皆さんが、「自分達はWebに関する知識が不足している。基本コンセプトだけを示すので、具体的な実践プランや、 実現するための方法をアドバイス・提案してほしい」といったように、開発業者からの提案を求める方法もあります。

■RFPに記載すべき事項

RFPの書式は自由であると言いましたが、記載すべき内容としては以下のような事項が考えられます。
RFPを作成するときの参考にしてください。

1.概要・・・企画の全体構想を伝える

サイトのコンセプト(開設の目的や基本概念)やWebサイト構築に至った背景・想定するユーザ像・競合他社の状況・ 希望する内容に近いサイト名などを示し、開発業者と基本となる考え方を共有できるようにします。
ビジネスモデルや収益に関するプランがある場合は、それも記載します。

2.コンテンツ関係に関する情報

サイトに掲載するコンテンツの内容などを記載します。
サイトマップ(全体の構成図)などがあれば、それも資料として添付します。 ECの場合は、商品点数や写真点数なども記載してあると、正確な見積りが期待できます。

3.必要な機能

企画を実現するために必要と思われる機能を記載します。 ここではあまり細かいことまで書く必要はありません。
箇条書きで、必要と思われる機能を列挙すればよいでしょう。
ECを例にとると、

「商品はいくつかのカテゴリ単位で管理できるようにしたい。」
「商品別売上ランキングを表示したい。」
「配送先/支払方法指定ができること。」
などのように記載します。

なお、「従来手作業で行っていた作業を、アプリケーションに機能として組み込み自動化したい。」といったような希望がある場合は、 現在のワークフローの手順の説明なども記載します。
開発業者側はこれによって、改善案も含めたWeb による無理のない機能の提案がしやすくなります。

4.予算

予算が決まっている場合は記入します。
「100万円かかるのか、500万かかるのか皆目見当がつかない」といった場合は別ですが、金額を明示することによって 以下のようなメリットもあります。

  • 開発業者による見積り金額のバラツキが少なくなる。つまり、提案内容自体の比較検討がしやすくなる。
  • 予算に応じた最適な提案が望める。
  • 予算とプランとの乖離や、実現性が把握しやすくなる。

これは、開発業者が見積りを作成する際に、過去の自社の事例を元に、予算と仕様を照らし合わせて実現できる範囲 (ホスティング環境やデータベース導入の有無・機能など)を決めるので、予算が分かっていたほうがより現実的な 提案ができるからです。
※デメリットとしては、予算に縛られてしまうため提案内容が似てしまう場合があります。

5.運営体制

サイト運営に係わる担当者の役割や人数などを記載します。 また、「役割によって操作権限を設定したい。」といった希望がある場合は、そのことも記載しておきます。

6.スケジュール

オープン希望日や、サイトの構築に関連する自社のスケジュールを記載します。
スケジュール表自体は開発業者で作成してくれます。

7.技術面での限定事項

サーバの設置条件などがある場合は記載します。
「契約済みのホスティング会社があるのでそこで動かしたい。」
「メールマガジンを発行したいが、5000人に1時間以内で送りたい。」
など、内容によっては構築作業に大きく影響する場合もあるので、分かる範囲内で記入してください。

8.プロモーション関連

オープンにあたってのマス媒体への出稿や、会員獲得のためのキャンペーンなど、プロモーションに関連する計画があるのであれば、 その予算や内容を書いておきます。

9.サポート関連

主に運用に関するサポートが中心になりますが、主なものとしては、

  • サーバ/データベースの保守
  • 管理、トラブル時の対応
  • コンテンツの更新

などがあります。
コンテンツの更新については、素材(原稿・イラスト・写真)の提供方法や、双方の作業内容(役割)・更新頻度についてあらかじめ 想定しておき、双方で誤解のないようにしておくといいでしょう。

10.開発業者に提出してもらう書類の指定

見積書・提案書・機能一覧表など、提出してほしい資料があれば指定します。
特に見積書については何も指定しないと、各社それぞれのフォーマットで提出されます。
比較検討がしずらくなる場合がありますので、書き方を指定しておくと何かと便利です。


impress R&D が運営するWebマスターのためのサイト、Web担当者forum にも RFPについての入門があります。
富士通キッズのサイト用に作られたRFPの実例を示しながら、RFPを作るときに必要な基本の要素を紹介しています。


■RFP作成に役立つ書籍

日本語でRFPについて書かれた書籍はほとんどないのが現状です。
Webに限らずシステム開発については開発者の視点で書かれたものが中心で、ユーザサイドに立った解説書は少ないようです。

要求仕様のまとめ方
価格: ¥1,890(税込)
「若手SEのための」と副題があるように、既刊書「若手SEのための システムエンジニアという仕事の流れと役割」、 「若手SEのための システム設計の考え方」に続く要求仕様に的を絞った解説書。 本来、要求仕様書はクライアント側で準備すべきものですが実際にはSEが記述することが多いようです。トラブル防止のためにも しっかりとした仕様書を作成できるスキルはSEに必須です。

要求仕様の探検学
価格: ¥3,045(税込)
いろいろな具体例をもとに要求仕様のまとめかたを説明してくれる。ワインバーグが共著で参加しており、内容については信頼してよいでしょう。 実務を通して要求仕様の難しさを感じたときに読んでほしい1冊です。

どうすればシステム発注で失敗を防げるか
価格: ¥1,659(税込)
初心者にもわかりやすく情報システムの発注に関する知識を解説してくれています。情報システム部に配属になった新人の方や、 これまでの発注方式でいいのかどうかいまひとつ自信をもてないでいる、そんな方にお薦めです。

RFP入門-はじめての提案依頼書
日経BP社より2004年1月に発売された解説書で、おそらく日本では初めて本格的にRFPについて 解説した書籍ではないでしょうか。
第1章の「なぜRFPを作るのか」からはじまってRFPの構造分析を解説している。
そして「第2章 RFP計画とその準備」「第3 事務要求」「第4章 技術要求」「第5章 管理要求」 「第6章 価格」「第7章 評価のガイドライン」とつづく。
付録にはRFPのサンプルやチェックリストが掲載されており実践でも役に立つ内容となっています。

会社のWebサイトはこう作る―企画・発注から運営・管理まで

システム担当者が知っておきたい―システム発注の基礎知識

Request for Proposal: A Guide to Effective Rfp Development(洋書)
著者のポーター・ロスはクライアントが有効なRFPを作成するのを支援することを専門とする技術コンサルタントで、 経験に基づいた書かれたこのガイドブックは、RFPに書き方について、系統的・包括的にRFPを分かり易く説明してくれています。
分かり易くツボを抑えたRFPの説明はベンダーの間の有効なコミュニケーションを促進するのに役立つでしょう。
またガイドブックは、自社の組織のRFPにも使えるいくつかのテンプレートを含んでいます。

情報システム投資の基本がわかる本―図解 企業ユーザーとSE必携
IT投資の測定や評価方法について初心者向けに解説している。一読した限りでは基本的な考え方や手法についての 解説が多い。巻末にはRFPに記載する項目や評価基準のサンプルがあり、これから発注を考えている人には 役に立つ内容といえるでしょう。

もうかる情報化、会社をつぶす情報化―ホンネで語るシステム・マネジメント
経営者・情報システムマネージャー向けの参考書。通常、企業のIT化・情報システム構築について語るときはどうしても 大企業が中心になります。ところが著者の言うところの「平均的な企業」では、RFP一つをとっても満足に書けるスキルがない、 といったケースが多く、「理論はわかった、でもどうすればいいの?」という場合が多いのが現実です。 内容については賛否両論あるようですが、私は推薦したいと思います。(内容は情報システム系の話です。)

Handbook for Writing Proposals
使いやすく簡潔にまとめられたハンドブックで、2人のベテランの専門家が、提案書作成の初期の段階から完成に至るまで、 提案を書くプロセス全体をガイドします。

ソフトウェア要求
このページをご覧になっている方はシステムを発注したいと考えている 方、もしくはSEの方が非常に多いように思うのですが、この本を購入される方が非常に多いの掲載しました。
レビューを読むと、"要求の定義とは"から始まり、「要求の引き出し方・要求分析・要求仕様のまとめ方」まで網羅しており、 おすすめ度も高いです。


要件プロセス完全修得法
要件定義の手順について、初歩から勉強したい方のための参考書です。
説明の方法がちょっと古くさい感じもしますが、新人SEや企業の情報システム部の方にはぜひ読んでもらいたいといえるだけの 価値はあると思います。
著者のロバートソン夫妻は要求分析のコンサルタントで、デマルコやワインバーグも推薦しています。




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